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冴雫
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拍手ありがとうございます!
連打いただいて、更にやる気が補充されました!



今日は診断メーカーやったら萌えるお題が出たので勢いでSSS書いてみました。

三時間以内に4RTされたら、ベンチで、目を伏せて瞼にキスをする金日をかきましょう。 #odainano http://shindanmaker.com/68894

RTされてなくても書く!と決意してたので、この記事を書いてる今がちょうど三時間くらいですが。
ベンチって人目につく場所にありますが、そこでこっそりっていうのが可愛い!
瞼っていう控えめ具合がまた可愛い!

在学中はさすがに人目が気になりすぎるので今回は卒業後設定で書いちゃいましたが、在学中もまたいいですよね。
実は猫にキスしてたとかいうオチも一瞬考えましたが、ちゃんと金日です。

あ、タイトルはドイツ語で「憧れ」という意味だそう。
詩の原文からいただきました。



短いですが読んでくださる方は折りたたみへどうぞ!







 ひょうたん池の水面を風がやわらかく撫ぜる。
 人がいても緑豊かな落ち着く場所である森の広場は休日である今日、いやましてのどかだった。
 風や葉擦れの音が響き、草花を普段よりも意識する。
 自然に囲まれ感覚が鋭敏になりながらも、身体から余計な力が抜けてゆく。
 ベンチに座る香穂子を見下ろす、彼女もすっかりリラックスしているようだった。

 大学生になっても、香穂子は頻繁に学院を訪れている。
 さすがに平日が多く、休日に訪れることは滅多にない。
 普段の休日は臨海公園で練習をし、金澤がそこに顔を出すというのが最も多いパターンだ。
 だが、今日は金澤が学院に用があるから少し遅くなる、という旨をメールしたところ、正門前で香穂子が待ち伏せていたのだ。
 あいさつをして、金澤の邪魔をしないように森の広場で待っていると言い置いて去った香穂子を見送ったのが数十分前。
 用が終って探しにきたところで、香穂子を発見して横に腰掛けたのが数分前。

 しかし、金澤は香穂子に声をかけるのを躊躇っていた。
 ベンチに座り、上半身だけをベンチに横たえるという身体を痛めそうな体勢で眠っている。
 バッグが枕代わりになっているだけ、まだましだろうか。
 このまま放置するわけにはいかない。
 無理な体勢とは思えない安らかな寝顔を崩すのは少し悪い気がするが、と思いながら腰を屈め、揺り起こそうと肩に手を伸ばす。
 しかし、金澤の影が落ちた香穂子の顔を見た瞬間、ある詩が頭を過ぎって動きが止まった。
 何事にも諦めず立ち向かう、強気な瞳を覆い隠す瞼。

『閉じた目の上なら憧憬のキス』

 金澤はその瞳に惹かれている。
 一回り以上年下の少女だが、金澤は確かに香穂子に憧憬を抱いている。
 そう改めて自らの感情を認めると、自然と瞼に触れたくなったのだ。

 金澤が手を伸ばす前、陽の眩しさに力の入っていた瞼は、金澤が影をつくったことにより緩みぴくぴくと動いている。
 指先でそっと目頭に触れ、瞼の上から眼球の輪郭をなぞる。
 もう片目も同じようにして、香穂子が目を開かないのを見ると、周りを今一度見回して人影がないのを確認した。
 そして膝を折り、覆いかぶさるようにして頭の脇に腕をつく。
 反対の手で額にかかった髪をよけ、瞼にそっと口づける。
 香穂子の顔を直視するのは気恥ずかしく、金澤も瞼を伏せたまま。
 すぐに離し瞼を上げると、勝ち気な瞳と目が合った。

「……やっぱり起きてたか」

 途中から寝息や力の入り方が不自然な気がしていたが、勘違いではなかったらしい。

「気づいてたんですか! いじわる!」

 身を起こした香穂子が真っ赤に染まった頬を膨らませ、唇を尖らせる。
 そっぽを向いた顎から頬にかけて手を添え、自分のほうを向かせた。
 三度人の気配を窺ってから、不機嫌な唇に唇で触れる。
 文句も弁明も甘い囁きも、言葉はすべて愛情に吸い込まれた。

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更新履歴ブログ「冴雫」。たまに小話か萌え語りカテゴリでSSS投下。
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