吉日の甘いのが書きたかったので、前に診断メーカーで出たお題を書いてみました。
>吉日へのお題は『「無理矢理、手のひらを触れ合わせる」キーワードは「約束」』です。 http://t.co/WoqVfSJ7
>吉羅に手を挙げてもらって、香穂子が無理矢理手を合わせてハイタッチして、「これでコンクール頑張ります!」みたいな決意表明シーンしか浮かばなかった。…甘くない。
>吉羅さんが無理矢理手を合わせるって、なかなかシチュが浮かびませんよね…。 恋人状態なら、ハイタッチから指先絡め取って…は出来そうですが。
>吉日へのお題は『「無理矢理、手のひらを触れ合わせる」キーワードは「約束」』です。 http://t.co/WoqVfSJ7
>吉羅に手を挙げてもらって、香穂子が無理矢理手を合わせてハイタッチして、「これでコンクール頑張ります!」みたいな決意表明シーンしか浮かばなかった。…甘くない。
>吉羅さんが無理矢理手を合わせるって、なかなかシチュが浮かびませんよね…。 恋人状態なら、ハイタッチから指先絡め取って…は出来そうですが。
コンクールを翌日に控えた帰り道。
吉羅の車で自宅近くまで送り、別れる間際。
香穂子が突然、妙なことを言い出した。
「……暁彦さん、ちょっと手を挙げてくれませんか?」
シートベルトを外し、車を降りるかと思った香穂子は上半身を運転席に向け、吉羅をじっと見つめた。
「なにかあるのかね?」
「いいから出してください!」
このままでは答えは得られないと判断し、吉羅は怪訝な顔をしながらも香穂子の言葉に従って右手を挙げた。
すると香穂子も手を挙げ、吉羅の手に合わせてきた。
そして、目を閉じて何かを真剣に念じているような様子を見せる。
「……この行動に、何か意味があるのかね?」
吉羅が問うと、香穂子は瞼を上げた。
頬を赤く染めながら、視線をうろつかせる。
「えっと、明日のコンクールのために元気を貰うというか、やる気が出そうな気がして……」
言いながら、合わせたままだった手を慌てて引っ込めようとする。
吉羅は、逃げようとした指先を捕らえた。
「――では、もっとやる気を出させてあげよう」
捕らえた指先を自らの口元へと運び、そっと口づける。
「――君に、音楽の祝福を」
ぼん、と音が出そうな勢いで香穂子は赤さを増した。
手を勢いよく振り払い、胸元に引き戻す。
紅潮した眦で、吉羅を強く睨みつけた。
「祝福もいただけたことですし、失礼します!」
助手席のドアを勢いのままに開けるが、閉める時はそっと静かにしている。
そんな律儀さに吉羅は唇の端をくっと上げた。
「明日が楽しみだ」
そうひとりごち、吉羅は車のエンジンをかけた。
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更新履歴ブログ「冴雫」。たまに小話か萌え語りカテゴリでSSS投下。
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