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冴雫
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LaLaで連載している「狼陛下の花嫁」を読んでいて、つい妄想をしてしまったので吐き出し。

狼陛下は可愛いですよね…!
設定としては「彩雲国物語」に似てるけど、あっちは権謀術数渦巻く中での知略バトル!ってイメージがあるんですが、こっちはもっと気楽に読める感じで。
夕鈴と黎翔には幸せになって欲しいです。
李順や紅珠、方淵、老師も可愛いですよね。



SSSは2010年12月号のネタバレ含みます。
ラスト後を妄想。
来月号で明らかにされちゃいそうなので、その前に!

夕鈴一人称。
短いです。






 隣に、狼陛下が眠っている。

(――なんで!?)

 痛む頭のせいで緩慢になった動き。
 そんな些細な挙動ですら、「狼陛下」ならば気配を察して目を覚ましてしまいそうなのに。
 窓の外に向けていた視線を戻しても、彼は眠ったままで。

(落ち着いて、落ち着いて……)

 頭を掻きむしり、叫び、掛け布を跳ね飛ばして寝台から飛び出したい気持ちを抑える。
 陛下を起こすわけにはいかない。

(ひとまず、状況把握を――)

 できるだけ静かに、深く、息を吸う。
 途切れた記憶。痛む頭。横で眠る狼陛下。

(……落ち着けるわけないじゃない!)

 考えれば考えるほどに、頭痛が増す。
 何が何だかわからない。
 とりあえず、この状況はまずい気がする。
 とりあえず、寝台から抜け出せば問題の一つは解決するだろう。
 ――当座は。

(そ~っと、そ~っと……)

 陛下を起こさないように、じりじりと身を離そうと――した。
 しかし、混乱のあまり気づかなかったが、陛下の腕が体にがっしりと回されていて離れることができない。

(どうして……!)

 無理に動かせば、今度こそ起こしてしまいそうな気がする。
 最初で最後の手段、起床というのも無理そうだ。

(……きっと、これは夢なんだわ)

 それにしてはやけに頭痛が現実的だが。
 頭が痛いが故に幻でも見ているのかもしれない。

(――寝よう)

 再び寝れば、夢から覚めるかもしれない。
 陛下が起きて、うっかり寝過ごした自分を笑いながら見ているかもしれないし、李順に怒られる自分をほわほわとした表情で眺めているかもしれない。
 ひとまず、事態が今以上に悪化することはないだろう。

 微かな希望を抱いて、考えることを放棄する。
 頭を刺激する痛みに、思考が侵食されたようだ。
 もぞもぞと潜り込んだ寝台は、狼陛下の熱で温まっていた。
 その心地好いぬくもりに、意識を手放すのは至極簡単だった。

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