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冴雫
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景時さんの「聖夜の後で」イベント。

九郎さんルートクリスマスに雪が降っていましたが、それはこの景時さんルートでも共通?
というか、全ルート共通なのかな?

そんな、雪がらみのお話。

で、SSSは景時さんルートなのに何故か望美+朔。
あれ、何でだろう。


それでは、ネタバレ含む追加イベ&SSSは追記から。
どうぞ。

 







 「君だけの魔法」 聖夜の後で

望美が有川家を訪れると、譲が蔵を整理していて見つけたという絵本を差し出してくる。
それは、望美が幼い頃に好きだった、雪だるまが動くという絵本。
ある日、動き出した雪だるまが、近所に住む子供たちと歌ったり踊ったりとし、最後に「また会える」とだけ言い残して溶けてしまうという話だった。

その話を思い出し、珍しく雪が降ったのだから雪だるまを作ってみたい、と言い出した望美だが、現在の時刻を知って「大切な用がある」と言い慌てて自宅に戻る。

大切な用とは、景時を喜ばせることーー贈るための編み物を作ることだった。

少なくなった毛糸を買い足す為に出掛けた望美が帰宅すると、自宅前で景時に遭遇する。
荷物を持つ、と言う景時に断りを入れると、望美は慌てて家に引っ込んでしまう。
後には、紅白の、ごわごわした布の切れ端のようなものが残っていた。

翌日。
望美は有川家を訪れていた。
途中で出逢った仲間に「後で渡したいものがある」と言い置いきながら景時を探していると、中庭で彼を発見する。

望美が景時を探していたのは、ようやく出来上がった手袋を少しでも早く渡したかったから。
景時のように魔法を使うことはできないが、手で作ることはできるから、と。

手が冷えていたから早速手袋をはめていいかと問う景時に望美は頷く。
しかし、景時の真っ赤になった手を見て驚きに表情を変えた望美は、何をしていたのかと問う。
景時はそれに雪遊びをしていたと答え、小さな雪だるまを見せる。
この間、望美が絵本の雪だるまを好きだと言っていたから、と。
その雪だるまの首に巻かれていたのは、望美が練習用に編んだ作り目だった。
それを見た望美は、これで二人の合作の雪だるまだと微笑む。

そして、「今度は一緒に雪だるまを作ろう」と持ち掛ける。
景時は頷くと、「次に雪が降った時も、君とこうしていられたら…」と切なげに望みを口にする。

 

終わり方がなんか切ない…!
この時点では、荼吉尼天のこと気づいてるのかなぁ?
まだ考えている、程度かな?

どちらにしても、景時さんは頼朝の呪縛から逃れられていないんでしょうね。
なんだかんだで頼朝さんのこと尊敬してるし。

ちなみに、ほかの八葉にも望美のプレゼントはあります。
こちらはマフラーのよう。
…京に持って帰っちゃうのかな、皆。
マフラーくらいなら許容範囲?

それにしても、ここでも望美の不器用さが明らかに…。
ものすごくひどいってわけでもないようですが。

そういえば、この雪だるまの話って元ネタあるんでしょうか?
有名な雪だるまの話があった気はしますが、私は日本昔話派だったので読んだ記憶がないんですよね・・・。





さて、今回もSSS投下。
景時さんの「聖夜の後で」が元ネタですが、望美+朔の話。

 

 

 望美が、頑張って編んだ手袋。
 それは、目的通り景時に贈ることが出来た。

 景時には手袋だが、ほかの八葉、そして白龍には、リビングに戻ってからそれぞれに似合う色のマフラーが贈られた。
 望美が編み物をするのを見守っていた朔は、望美の心が篭った贈り物に笑顔になる皆を見て、まるで自らのことのように嬉しくなった。
 不器用を自覚する望美が、皆の為にと本当に頑張って作っていたのだ。

 全ての編み物を配り終えた望美が、朔の元へと駆け寄ってくる。
 よかったわね、と声をかけようとした朔。
 その目の前に、勢いよく何かが差し出される。
 上手く焦点を合わせられずに、何度か瞬きを繰り返した朔の視界に、ようやくくっきりとした形のものが映る。

 それは、白い毛糸で編まれた、景時に贈ったものよりも一回り小さな手袋だった。

「望美?」
「これは、朔に」

 戸惑う朔に、望美は太陽のように明るい笑みを見せた。

「手伝ってくれてありがとう、朔。驚かそうと思って、こっそり編んでたんだ」
「……まあ、本当に驚いたわ。ありがとう、望美」

 手袋を受け取ると、朔は早速手にはめてみた。
 少し不恰好な部分もあるが、そんなのは些細なことだ。

 物理的にも、心理的にも、温かいものに包まれて朔は笑みを零した。
 しかし、すぐにあっと何かを思い出したような顔になると、ちょっと待ってて、と言い置いて借りている自室へと入っていった。

 数分で戻ってきた朔は、何やら白い塊を手にしていた。
 首を傾げる望美の頭に、その白いものを載せる。

 すると、僅かな重みとぬくもりが望美の頭を包んだ。
 驚く望美の前に、朔は鏡を差し出す。

 そこに映っているのは、白い毛糸で編まれた帽子を被っている望美。

「朔、これ……」
「あなた、皆のことしか頭にないのだもの。あなたのものがあってもいいでしょう?」

 編み物のなんたるかを知らなかった朔が、こちらの世界に来て数週間で、望美の為に帽子を編んでくれた。
 それだけで胸が一杯になる望美だったのに、そろそろと頭から外して見つめた帽子は、初めて編んだとは思えない出来栄えだ。

「ありがとう、朔。大切にするね」
「私も、大切にするわ」

 迷宮が解けたら、仲間との、対の神子との別れが待っている。
 それでも、このように温かい記憶がきっと残るだろう。

 別れても、彼女が笑顔でいられるように。

 二人の神子は、白い編み物に同時に願いをかけた。

 

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